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アレルギー性鼻炎

  • アレルギー性鼻炎治療の基本は薬物療法です。ここでは薬物療法を中心に説明します
    アレルギー性鼻炎は、症状を抑えるための薬物療法が基本となります。症状、鼻内所見にあわせ、内服(抗アレルギー剤)と点鼻(局所ステロイド剤または抗アレルギー点鼻)を組み合わせて投与します。
     

  • 通年生と季節性のアレルギーがあります。アレルギーの原因は採血で分かります
    スギやブタクサの花粉症は、その花粉の飛散時期のみであり、季節性です。一方でハウスダスト・ダニ・カビ・ペットなどによるものは通年生(1年中)のアレルギーとなります。採血により原因物質の特定が可能です。
    ハウスダスト・ダニが原因の場合は、これらを減らす工夫(換気、じゅうたんの除去他)が必要ですがゼロにはできませんので、症状がある場合は薬物療法が必用になります。
     

  • 当院では舌下免疫療法を行っています
    当院では舌下免疫療法を行っています。
    詳しくはこちらをご覧ください。

  • スギ花粉症に対するステロイド注射は行っていません
    上記の免疫療法の他に、ステロイド筋肉内注射による治療があります。これは免疫活動自体を抑えてしまう方法で、ステロイドの全身的・局所的副作用の点で日本耳鼻咽喉科学会では推奨されていません。
     

  • 薬物投与は継続が必要です
    中等症以上のアレルギー性鼻炎に対しては、抗アレルギー剤とステロイド点鼻の組み合わせで治療を開始します。治療後は症状の改善が見込めますが、少しよくなったからといってやめてしまうとまた元に戻ってしまいます。症状や鼻内所見をみながら、薬物の選択や調節を行っていきます。
     

  • ステロイドの全身投与は極力行わない方針です
    ステロイドの全身療法を継続すると、副腎機能抑制の他、満月様顔貌、多毛、糖尿病・高血圧・骨粗鬆症の増悪といった様々な副作用が生じます。上述のようにステロイドの筋肉注射はもちろん、ステロイドの内服薬も極力使わない方針です。よく投与されている「セレスタミン」という薬剤にも少量ですがステロイドが含有されており、長期投与には問題があります。当院では極力ステロイドの全身投与を避ける方針としています。

鼻中隔弯曲症

鼻の真ん中を仕切る壁(鼻中隔)が曲がっていることにより、鼻閉をおこしている場合をいいます。
実は成人の8割程度の人には、鼻中隔弯曲が見られます。程度によりますが、これが高度になってくると鼻閉を伴うことになります。


鼻中隔の曲がりにより狭いほうの鼻腔は当然鼻づまりになりますが、広い方の鼻腔もその空間を補うように鼻甲介という骨と粘膜が張り出してくるため(下記の肥厚性鼻炎を合併します)、鼻閉をおこしやすくなります。

 

鼻閉が継続的で高度な場合は、鼻中隔矯正術の適応となります。 これは彎曲している鼻中隔の骨や軟骨を除去する手術で、通常は入院手術となります。

肥厚性鼻炎

鼻腔の側方にぶら下がっている粘膜が鼻甲介です。この鼻甲介が腫脹して鼻閉をおこす状態のことをいいます。


市販点鼻薬の乱用による肥厚性鼻炎症例が少なからず見られます。
市販点鼻薬には粘膜を収縮させる成分が入っているため、使用すれば当然鼻の通りは良くなりますが、点鼻する回数が頻回になると、使用した直後は通るものの、時間が経つとすぐにつまってしまい、かえって鼻閉が増悪していくことがあります。この場合は、市販点鼻の使用を中止すれば1週間以内には鼻閉が改善してくる症例が多いです。

 

したがって、鼻の通りを良くする点鼻薬を使用する場合は、1日の使用回数を2.3回までに留めておくべきです。

 

一般に肥厚性鼻炎は、上記の鼻中隔弯曲症や慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎などに合併してきます。高度な場合には、鼻甲介粘膜の切除術、レーザー手術、凝固手術等が行われます。

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