12月29日(土)「平成最後の年末です」
年内の診療を昨日終えて今日は残務処理をしています。 平成としては最後の年末になります。 新元号の発表は来年4月になるということですが、もったいぶっている気がしてなりません。 もう決まっていると思います。 昭和天皇が亡くなったのは、昭和64年1月7日でした。 これを知ったのは東京駅の構内放送でした。 当時、1年目の研修医として1月から川崎市立病院麻酔科での研修が始まった頃でした。 乗り継ぎの時、構内放送で「天皇陛下が崩御されました」と流れました。 ホームへ向かう階段で聞いたと思います。 すでに膵臓がんで時間の問題だったとはいえ、これを知ったときにはひどく悲しい気持になり、ひとりでうるうるしていました。 そして時代は平成に移り、気がついてみれば駆け抜けてきたような気がします。 果たして「平成」だったのかどうか? 新たなよき時代を迎えられればと思います。
11月25日(日)「午前中の混み具合と紅葉と」
以前は週半ばである、水・木・金の午前中は比較的すいていましたが、とくに今年になってからは午前中が混雑しています(月曜日午前はさらに混みます)。 お昼休みが短くなると辛いので、混雑時は予約システム(アイチケット)を中止することがありますので、御了承のほどお願いいたします。 当院の入っているメディカル・ビーンズは、朝8:30にならないと入館できないようになっていますが、その前からいらして外で待っている患者さんがいます。 これからはさらに寒くなりますので、どうか体調を崩されないようにしてください。 8:30になると館内に入ることができますが、これまで当院では9:00に来院順に名前をご記入いただくボードを出していました。 ところが、その前に何人もの患者さんがいらっしゃる場合があり混乱するということで、今月から8:30にはボードを出しておくようにしました。 早く(受付開始の9:15以前)来院される場合には、ボードへお名前のご記入をお願いいたします。 月遅れになりますが、行きつけの新潟県湯沢町で撮ってきた、紅葉の写真を載せておきます。 院長日記は、これまで院長紹介のページからひっそりとリンクを張っていましたが、この度トップページから直接リンクを張ってみました。 開院以来毎月の記事がありますので、よろしければご覧ください。 日記ではなくて、ほぼ『月記』ですけどね・・・。
10月26日(金)「早期にインフルエンザを検出できる迅速診断装置を導入しました」
『インフルエンザで苦しむ夜をなくしたい』 そんなフジフィルムのCMをご覧になったことがあると思います。 インフルエンザ発症後時間のあまり経っていないときには、ウイルス量が少なく、従来のインフルエンザ迅速診断キットでは陰性と判定されてしまうことが問題でした。 フジフィルムの開発したシステムは、金コロイドをインフルエンザウイルスの粒子に標識させることにより感度を100倍に増幅させ、発症後早期であっても検出できる技術を開発しました。 このたび、そのキットを導入しました。 販売はミズホメディーという会社で、クイックチェイサーImmuno Reader という機器になります。
このように、目視でなくクリアに結果が出ます。 これまでは発症後12時間程度経たないと検出できないことがありましたが、このシステムだと早期であっても熱が出ている状況であれば検出できるということです。 なお、明らかに発症後半日以上経過している患者さんには、従来のキットで検査いたします。 早期診断を確実に行い、 インフルエンザで苦しむ時間を減らすことができればと思っています。
9月20日(木)「上咽頭炎三昧再び」
昨年9月の本欄同様、8月25-26日には新橋のヤクルトホールで第6回病巣疾患研究会が、9月13-14日には名古屋市のウインクあいちで第31回口腔・咽頭科学会が開催され、一般演題として発表してきました。 さらに9月15日には大阪の新阪急ホテルで第7回上咽頭炎研究会があり、参加してきました。 これは8月24日、病巣疾患研究会懇親会の時の写真です。 左は本会理事長の堀田修先生、真ん中は萩野仁志先生です。
萩野先生は町田市で開業されており、専門は音声ですが、耳管開放症や上咽頭炎の治療も積極的にされています。 ちょうど学会期間中の9月8日には、萩野先生著「謎の耳づまり病を自分で治す本」という題名の、耳管開放症についての本が出版されました。 耳管開放症を改善するための一つの方法がEAT(上咽頭擦過治療:いわゆるBスポット療法)として紹介されています。
こちらは9月14日、口腔・咽頭科学会で上咽頭炎のセッションでの発表を終えたところです。
左は茂木立学先生、右は伊藤宏文先生です。
茂木立先生は、上咽頭炎に関与するマイコプラズマの研究をされていますが、上咽頭炎のファイバー所見(NBI画像)の評価や治療成績を含め、膨大な知見をお持ちです。
右の伊藤先生は、上咽頭炎治療による自律神経機能の解析を通してEATと自律神経機構の関連について発表されました。
茂木立先生は病巣疾患研究会で一般演題を、大阪の上咽頭炎研究会では特別講演をされました。
伊藤先生は病巣疾患研究会でシンポジストをお努めになりました。
お二人ともアカデミックに研究されています。
私は、EATによる内視鏡所見および自覚症状の改善について発表してきました。
約1年ぐらい前から、患者さんには自覚症状のアンケートをお願いしていますが、今回はその結果をまとめてみました。
口腔・咽頭科学会の抄録を載せておきます。
8月23日(木)「大地の芸術祭-越後妻有アートトリエンナーレ」
夏休みに、新潟県妻有(つまり)地域で開催されている「大地の芸術祭」:越後妻有トリエンナーレに行ってきました。 豪雪地帯として知られる、十日町市や津南町を舞台に、2000年から3年に1度開催されている国際芸術祭です。 前から存在は知っていましたが、今年は開催年だったので7月と8月に1日ずつ行ってきました。 妻有地域は、東京都23区よりも広い面積で、そこに334点(恒久設置作品131点を含む)もの作品が展示されています。 作品を見て回るには車が必須で、この芸術祭がなければ通らないような里山をめぐる旅となります。 とても1日で回りきることはできません。 2日間でも1/4程度見たでしょうか。 今年は7月29日から9月17日までの開催です。 各会場では入場料が必要ですが、パスポートというのがあってこれで全てを見ることもできます。 いくつか作品を載せてみます。 十日町の美術館「キナーレ」内の展示物、Rolling Cylinderです。
この赤と青の模様が回転しているので、中にいるとめまいを感じてしまいました。
松代郷土資料館の展示のひとつ。 オブジェのある棚田を背景に、文字がぶら下がっていて、背景と一体となった説明文に見えるトリックアート。
松代からの山道の途中で見た鉛筆のオブジェ。
一体、何の意味が・・・
清津峡トンネル展望台の床に水を張り、景色そのものが作品に。
幻想的な世界です。
作品を巡る途中には、こんな棚田の風景がひろがっていました。
もう今年度は行かれませんが、また3年後に訪ねてみたいと思います。
7月25日(水)「史上最高の暑さを更新」
関東地方では6月中に梅雨明けし、その後暑い7月となりました。 そして23日(月)にはとうとう青梅市で40.8度を観測、東京都内としては初めての40度超えを記録しました。 こちらは翌日の朝日新聞一面です。
かれこれ自分が小学生の頃、科学を題材にした漫画で、日本での最高気温は40.8度と出ていたのを覚えています。 当時は夏の暑い日でも33度ぐらいだったので、40度超えという記録は信じられないものでした。 それが最近では40度超えも驚くに値しなくなってしまった気がします。 この新聞の「最高気温が高かった地点」という表を見てみると、私がみた40.8度は1933年山形市で観測されたものでした。 これはフェーン現象によるものだと聞いたことがあります。 これを更新したのは、2007年熊谷市と多治見市の40.9度ですので、74年もその記録が続いていたことになります。 しかしその後は2013年、そして今回と約5年おきに更新されています。 そして今回の青梅市の記録はくしくも同じ40.8度でした。 現アメリカ大統領のトランプさんは、温暖化予防計画に逆行的な発言をしていますが、地球の温暖化は明らかに進んでおり、これからのことを考えるとそら恐ろしくなりました。
6月26日(水)「職員の白衣を新しくしました」
今月になってから、当院の雰囲気が明るくなったような気がしませんか? 実は、職員の白衣を新しくしました。 これまでは白か水色でしたが、今回は明るい色のカラフルな白衣にしました。 各自、好みの色を選んでもらいました。 いかがでしょうか?
私はと言えば・・・ 着るものには無頓着なので、今のところ以前のままです。 そのうち替わるかも??
5月27日(日)「専門医制度と学会参加に伴う休診について」
各診療科の専門医制度が見直され、日本耳鼻咽喉科学会は各専門領域の中では早い段階で移行に踏み切りました。 それに伴い、耳鼻咽喉科専門医は専門医更新のために5年間で学会の参加や単位の取得が必要となりました。 概要としては ・5年間のうちに日本耳鼻咽喉科学会総会と専門医講習会各1回以上の出席 ・専門医共通講習:医療倫理、感染対策、医療安全各1単位ずつが必須 ・耳鼻咽喉科領域講習:最小20単位 が必要で、他に学術業績、活動実績として所定の学会出席、学会や論文発表、座長などで単位が加算されます。 専門医更新には5年間で50単位の取得が必要となります。 とここまで堅苦しく記載しましたが、要は耳鼻咽喉科専門医を維持するためにはある意味積極的に学会や講演会に出席をする必要があります。 旧専門医制度の更新の比べるとハードルが高くなりました。 まめに地域主催の講演会に出席をしていれば単位はクリアはできますが、日本耳鼻咽喉科学会総会と専門医講習会に参加しなければなりません。 今年度の日本耳鼻咽喉科学会総会は5月30日(水)から6月2日(土)に横浜市で開催されます。 そこで、5月31日(木)は休診にして学会に参加してきます。 日本耳鼻咽喉科学会には各地方部会が存在します。 私は東京都地方部会に所属していますが、来る6月16日(土)には多摩地区耳鼻咽喉科医会が担当となる学術集会があります。 昨夜もその打ち合わせに出席してきましたが、 今回私はその担当スタッフになっています。 当日は会場でスライド映写の担当となりました。 学術的な側面では、以前から話題となっている慢性上咽頭炎について、その治療方法や治療成績などについて取り組んでいます。 平成27年からは、日本病巣疾患研究会で毎年発表をしています。 また昨年は、日本口腔・咽頭科学会でも発表しました。 現在、上咽頭炎の治療前後に各自覚症状について患者さんにはアンケートの協力をしてもらっています。 今年度はその結果を解析して発表する予定です。 日本病巣疾患研究会は来る8月25日(土)、26日(日)に 日本口腔・咽頭科学会は9月13日(木)、14日(金)に開催されます。 これに加えて、9月15日(土)は地元横田基地の友好祭の開催が決まっています。 横田基地友好祭の時は、多数の来客のため当院駐車場の確保が困難になるため、昨年度から休診としています。 以上の日程の都合で、 5月31日(木)、6月16日(土) 8月25日(土) 9月13日(木)、14日(金)、15日(土) は臨時休診とさせていただくことになりました。 学会発表後には、上咽頭炎の治療成績についてにもお知らせしたく思っています。 どうか御了承のほどお願いいたします。
4月25日(水)「寝坊ができるのは若いうち」
若い頃には理解のできなかったことが、今になってわかってきました。
1)寝坊ができるのは若いうち
祖父母など、年寄りの方が早寝・早起きでいたことを覚えています。
なんで年をとると朝早く起きるんだろうと不思議に思っていました。
今の歳になってみると、日曜日など寝坊して疲れをとりたいと思ったりするのですが、これができなくなりました。
うちの子供たちは放っておくと昼近くまで寝ています。
そこで気づいたのです。
寝坊するのにも若さのパワーが必要なのだと・・・。
寝坊しようとしてもできない、だから必然的に早起きになるのです。
つい先日のこと、一旦起きだしてトイレなどの用を足して蒲団に戻ると寝られました。
つまり『二度寝』。
これからはこの作戦かな??
2)つばをつけてページをめくったり
おばあさんなどが、本のページをめくるとき手につばをつけていました。
汚いなあ、と嫌悪感を感じていましたし、なんで?と思っていました。
年をとってくると、皮膚の水分量が減少してかさかさ肌になるのですね。
スーパーなどのレジ袋を開くのが難しくなってきて、つい先日やってしまいました。
ゴミをゴミ袋に入れようとしましたが、うまく開けずつい手につばを・・・。
急いでいたのでついやってしまいました。
スーパーの作荷台に濡れたタオルの置いてある意味、よーくわかるようになってしまいました。
その他にも、若い頃には他人事だった肩こりや関節の痛み、そして数年前には五十肩にも悩まされました。
まだまだ年を重ねての『発見』がありそうです・・・。
3月21日(水)「桜の開花とスギ花粉の関係」
今年の冬は非常に寒かったため、スギ花粉飛散開始がやや遅れたのですが、その後2月終わりから一気に多量のスギ花粉が飛散しました。 昨年に比べるとはるかに多かったため、昨年は来院していない患者さんや、例年は我慢したり市販薬ですませていた患者さんがたくさん訪れ、大変な混雑となってしまいました。 順番取りの予約システムであるアイチケットを止めざるを得ない状況となる日が多く、ご迷惑をおかけいたしました。 その後は一気に暖かく気温の高い日が続いたため、桜の開花が早まり、東京では3月17日開花宣言が発表されました。 例年、桜が咲くとスギ花粉がおさまるという印象を持っていたので過去2年にさかのぼって調べてみました。 それが下の図です。
過去2年間と今年のスギ花粉飛散数(青梅市、赤色の線)および桜開花日を桜マークで示しました。
過去2年は桜の開花宣言の頃にはスギ花粉の飛散がかなり下火になっています。
桜が満開になる頃にはほとんどおさまるようです。
一方でヒノキ花粉(青色の線)はスギ花粉の減少とともに飛散してきます。
昨年はヒノキ花粉がほとんど飛ばなかったので、H28年のデータをみていただくとよくわかると思います。
これらのことから以下の点がわかると思います。
・スギ花粉飛散は桜開花に伴い終息に向かう。
・ヒノキ花粉はスギ花粉の減少にとってかわるように飛散を開始する。
・スギ花粉は3月終わりから4月初めで終了、ヒノキ花粉は4月20日頃、ゴールデンウィーク前には終了する。
こういう傾向を把握すれば、いつ頃まで花粉対策をするべきか、またいつ頃には薬の使用をやめてもいいかということなどがわかるかと思います。
2月18日(日)「堀田修著『慢性上咽頭炎を治しなさい』が発売されました」
先月に引き続き、上咽頭炎の話題です。 昨日2月17日に下記単行本が発売されました。 病巣疾患研究会会長の堀田修先生が慢性上咽頭炎について、これまでの知見や症例をまとめた集大成ともいえる著書です。 1)慢性上咽頭炎の治療により改善したという症例の紹介、2)上咽頭擦過療法の他、自分でもできる治療法の紹介、3)上咽頭擦過療法によって慢性上咽頭炎が改善するメカニズム、4)慢性上咽頭炎による症状や疾患についての解説から構成されています。 これまでのところ上咽頭炎の治療には、塩化亜鉛を上咽頭局所に塗布する「上咽頭処置」が最も効果的とされています。 この治療法は「Bスポット療法」とも言われていましたが、病巣疾患研究会では海外向けの論文等でも通用するように、上咽頭擦過療法のことをEAT(Epipharyngeal Abrasive Therapy、イート)と名付け、今後はEATとして統一していく方針です。 巻末には、EATを施行している医療機関が紹介されています。 これまで限られた医療機関でしかEATが行われていなかったとされていて、当院にもかなり遠方からの患者さんがいらしていましたが、本書では多くの医療機関が載っています。 当院待合室書架にも1冊置きました。 慢性上咽頭炎に悩まれている方や興味のある方は、是非本書をご覧になっていただければと思います。
1月15日(月)「医療関連雑誌わかさに掲載されました」
今月も上咽頭炎、Bスポット療法関連の話題ですが、明日1月16日発売の医療関連雑誌「わかさ」に掲載されることになりました。 今回は『めまい・耳鳴り』特集であり、上咽頭炎の症状として生じやすい咽頭痛、後鼻漏、咽喉頭違和感等とは少しはずれる症状でもありますが、中には『めまい・耳鳴り』が主訴(患者さんの主な訴え)になることもあります。 病巣疾患研究会会長堀田修先生のお力もあって、Bスポット療法が注目されつつあり、その流れで私が以前書いた上咽頭炎の論文をご覧になった「わかさ」の編集部から取材を受けることになりました。 内容は、その論文のデータと、近年病巣疾患研究会で発表している治療成績に基づいています。 一部を下に載せておきます(全部載せるのは著作権の問題もありそうなので・・・)。
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