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院長日記H21

執筆者の写真: ohnoentclinicohnoentclinic

更新日:2023年1月31日


とうとう大晦日となってしまいました。 今月の21日以降は、当院にとって記録的な混雑となりました。 そのため、長時間お待たせした患者さんがいらっしゃたと思います。 長時間待たれた方には申し訳なく思いますが、正直、私も疲れました。 本年を表す漢字として「新」が選ばれましたが、新型インフルエンザには世の中が振り回された感があります。 感染が国内で始まった頃には、異常とも思える過敏な対応がなされ、そのうちパンデミックの恐れからマスクの入手が困難になってしまうという事態が生じました。 内科や小児科、救急外来にはインフルエンザ及び疑い症例が殺到し、ワクチン接種が始まると予約を取ろうと医療機関には問い合わせが相次ぎました。 当院も例外ではなく、一時期はワクチン問い合わせの電話が鳴りっぱなしの状態となりました。 この頃は接種希望者に対する供給量が不足し、どこもすぐに予約がいっぱいになっていたと思います。 接種を受けたくても受けられない「新型インフルエンザワクチン難民」があふれていたのです。 これらが一段落すると、今やマスクは普通に買うことが出来ますし、現時点では当院の新型ワクチンも余裕がある状況となっています。 教訓としては、世の中が一つのことでパニック状態となっているときは、焦らず、静観して待つことかな、なんて思いました。 本格的に新型インフルエンザが流行した10月以降ぐらいには、当院を含む耳鼻科は患者数が減っていたようです。内科や小児科にかかられた患者さんが、さらに耳鼻科にかかることはありませんし、どうも新型インフルエンザによって他のたぐいの疾病が抑制されていたような気もします。そして、新型インフルエンザが落ちついてきた年末になって、急に患者さんが当院にも戻ってきて、あのような混雑になったような気がしています。 新年の花粉は少な目という予想ですが、年末になっての混雑状況を考えると昨年よりも多くの患者さんがいらっしゃるかも知れません。年末にあたり、さらに気を引き締めて新年を迎えようと思っています。



11月28日(日)「最近の混雑状況について」

10月以降ですが、昨年度に比べてかなり混雑している状況が続いています。 とくに祝日の前後や週末の混雑が激しくて、3時間を超える待ち時間となることがあります。 ただ、曜日や時間によってかなり混雑状況に差がありますので、混雑状況の表を作ってみました。 朝、当ビルメディカル・ビーンズに到着すると整形外科の患者さんがたくさん外で待っています。 患者さん方は朝の談義をしているかのごとく、朝早くから輪を作ってお話をされています。 それに比べて耳鼻科の患者さんはそれほど待っていません。 最近気づいたのですが、これは当科が「アイチケット」を導入しているからだと思います。 携帯電話やパソコンでネットにつなぐことができれば、自宅からでもどこからでも順番を取ることができますし、 診察までどれぐらいかをその都度確認することができるからです。 たとえ、アイチケット上で50人(組)の患者さんが待っているとしても、待合室は割とがらーんとしています。 皆さん、上手にアイチケットを活用されているように思います。 一方で、ネットにつなぐ環境のないお年寄りなどは不利なシステムになります。 そのため、受付開始から30分はアイチケットからの順番取りはできないようにしてあって、 窓口にいらした順に番号を発行するようにしています。 以上に示した当院の順番取りシステムをうまく活用いただいて、待ち時間のストレスのないよう 診察をお受けになられるようにしていただければと思います。 それにしても、最近の混雑状況は正直しんどい部分があります。 年末、花粉症とこれからが混雑のピークとなるので、乗り切ることができるか少し懸念していますが、 こちらも体調を整えて、日々の診療を行っていきたいと考えています。



10月10日(土)「台風がもたらした南の島の香りとついたり消えたりの虹」

10月7日から8日にかけて台風18号が日本列島を縦断しました。

上陸したとき勢力が強かったので、強い影響を受けることを心配していましたがそうでもありませんでした。

医院に来る頃には、小雨が残っていたものの空が明るくなっていました。

気温はおそらく18度程度と低かったのですが、外の空気からは南国の香りがしていました。

もう15年以上前になりますが、出張で10月から3ヶ月間沖縄の石垣島に滞在したことがあります。

それ以来、沖縄でもグアムでもハワイでも独特の南国の空気を感じていました。

何の香りかわかりませんが、単なる湿気ではありません。東京でも湿気はありますので・・・。

南の海の香りなのでしょうか。


いつしか台風が来ると、その時の香りを感じるようになりました。

そして今回も、気温こそ低いのにその香りがしたのです。

そうして、懐かしい石垣島での日々や、旅行で再び訪れたときのことを想い出し、石垣島への思いをはせるのでした。


医院についてもその空気を感じようと窓を開けてみたら、空の低いところに虹がかかっていました。

しばらく見ていると台風による雨雲の切れ間から太陽が差し込むと虹が現れ、隠れると虹が消えるのです。

虹ははかないものですが、ある程度の時間は出続けているものです。

しかしこの朝の虹はまさについたり消えたりの虹でした。


台風が過ぎ去ったあとの空は美しいものです。

強い風と雨が、都会の汚れを一掃してくれるからです。

その後現れた空は、普段見ないような澄んだ濃いブルーに染まっていました。


この日は午後大学に行って戻ってきたのですが、夕方になったもその澄んだ空は続いていました。

その帰りにみた多摩大橋付近の風景ですが、この日はずっとどこまでも見渡せる美しい空をしていました。

台風による被害は困りものですが、こうした置きみやげも残してくれるのです。

台風一過の輝きをひとり堪能していました。


9月25日(金)「向かいのTimes駐車場が利用できるようになりました」

シルバーウイークはいかがでしたでしょうか。 何だか、高齢者の週みたいなネーミングに思えてしまうので私だけでしょうか。 今回は日記というよりもお知らせですが、牛浜駅前のスーパー「オザム」の駐車場であるTimesも利用できるようになりました。 駐車券は当ビル1階にある鈴薬局で発行します。 処方の有無にかかわらず、つまり同薬局を利用しない場合でも寄っていただければ駐車券をお渡ししますので、是非ご利用下さい。 実はこの件は開院以来やっと実現した懸案でした。 花粉症など混雑する時期にはすぐに駐車場がいっぱいになってしまいます。 ましてや、当医療ビルには新たな診療科が開業する可能性もあり、駐車スペースの確保が問題となっていました。 鈴薬局さんのご協力もあって実現いたしました。 当ビル(メディカル・ビーンズ)にとって、明るい話題になればいいと思っております。



8月26日(水)「腰痛と整体と」

以前から軽い腰痛はありましたが、数年前から右腰部の一か所の痛みが増してきました。 診療中の体勢が悪いのかと思い、かがむときはまっすぐにするようにしたところ少し改善していましたが、いよいよここ2か月ぐらい前から痛みが強くなってきました。 電車や車で座っていてもその部分に痛みを感じるようになり、観念して今月のはじめに当院1階にある整形外科さんで診察を受けることにしました。 腰部のレントゲンを5枚ほど撮られ、何か重大な病気でも見つかったらどうしよう、という不安を持ちながら整形外科医師から結果を聞くと、とくにレントゲンでは異常がないということでした。 その日は同科で超音波や牽引の治療と、湿布の処方という一般的な対処を受けて終わりとなりました。 たまたま家族が、頸部の痛みのため整体を受けたところ良くなったと言っており、その回数券が余っていたので、思い立って私もその中国系の整体院を訪ねてみました。 立場上職業は告げずに、「腰痛のため整形外科でみてもらったが、明らかな異常はなかった」 旨を話すと顔の部分に穴のあいたベッドに案内されて、 うつぶせになりました。 担当の整体士は、全身のマッサージを施しながら片言の日本語でさとすように「凝っていますね」、「疲れていますね」、「背中が曲がっていますね」、「姿勢が悪いですね」などと言ってきました。 ごく一般的なコメントばかりのようですが、しみ入るようにそうなんだ、と感じました。 その日の午後は体が軽くなって、医院での診療の時も気分的に晴れ晴れしていました。ちょっとハイな気分になって『ノリピー状態』となっていました。これまでマッサージを受けるのは中高年であって、自分とは無縁と思っていましたが、気がついたら年齢的にも肉体的にもそういう対象になっていたわけです。 それから3回ほどその整体院に通って、右側の腰痛は確かに軽くなっています。 少し前までは若い気でいましたが、 最近はどうも老化現象の始まりを自覚せざるを得ない徴候が出てきています。 悲しいかな・・・けどこれは仕方のないことですね。



7月27日(金)「真夏の戦い:高校野球」

高校野球夏の甲子園予選である西東京大会は、明日準決勝が行われます。 私の息子も野球球児をやっていましたので、西東京大会を見に多摩一本杉球場まで3回ほど通いました。 すでに負けてしまいましたが、そんなわけで今年はこの大会の経過がいまだに気になって、合間には東京MXテレビの中継を見ています。 甲子園などは叶わぬはるか彼方の夢であることはわかっているのですが、高校3年生にとっては負ければそれで終わりとなるので全ての試合にドラマがあると言っていいでしょう。 私は負けた試合を最後まで見届けることはできませんでしたが、やはりその直後の選手たちは号泣していたということでした。 しかし試合後、多摩一本杉球場の駐車場で撮られた3年生の集合写真は、全員がこれ以上ない笑顔で写っていました。 ひとしきり泣いて気持ちが落ちつくと、今度は無事に最後までやり遂げたんだという充実感や、ほっとした気持にかわったのでしょう。 親としては、この選手たちの笑顔の写真にまたジーンと感じるものがあります。 予選でも、甲子園でも、負ければその時点で終わりとなって涙し、唯一全国から一校の優勝校も感激の涙を流すわけです。 どうして高校野球、それも甲子園ばかりが取り上げられるのかとも思っていましたが、 当事者になってみるとその理由がよくわかりましたし、さらにそのドラマは地区予選の段階から同じだったことも認識を新たにしました。 すでに球児から受験生へとかわった息子をよそに、今年の夏は甲子園の大会が終わるまで例年以上に気持を込めてこの真夏の戦いを眺めることになるでしょう。



6月19日(金)「デジタルレントゲンを導入しました」

今月はじめから、デジタルレントゲンシステムであるアールエフ社の「NAOMI」を導入しました。 とった画像はすぐにモニターに表示されるので、待つ必要がなくなりました。 これまでや撮影したフィルムを「明室」という現像用のボックスに通して作っていました。 もちろん数分待つ必要がありましたし、現像液や定着液を3-4週間毎に新しくする必要がありました。 そのたびに「明室」内を清掃する必要もありました。 一番恩恵を受けているのは、これらの手間がなくなったスタッフかも知れません。 2年弱でも右下の写真に示すぐらいのフィルムが貯まりましたが、これが増えることもなくなりました。 消耗品も必要なくなるので、かなり手軽となりました。 他にマイナーチェンジとして、鼓膜の動きを調べるティンパノメトリーを聴検室内に移動させました。 あと一つ、サイノジェクトという副鼻腔洗浄の器具も導入しました。 通常の鼻処置、ネブライザー、投薬などで改善しない副鼻腔炎症例に対してこれを行うことにより、 改善させることが期待できると思っています。 詳しくは設備案内のページをご覧ください(レントゲンは2021年1月にはCTと一体化しています)。

これが撮影台に設置された「NAOMI」です。


撮影すると数秒後にはモニターに画像が表示されます。 右側はこれまでのフィルムによる画像です。 ファイルに入っているのはこれまでにとった フィルムですが、 2年弱でこれぐらいたまりました。



5月27日(水)「最近の動向」

暑い日や涼しい日があったりで、風邪をひいて鼻水や咳、中耳炎といったお子さんは相変わらず多いようです。 このところ扁桃炎で点滴を要するような患者さんも何人かいらしています。 イネ科(カモガヤなど)花粉症と思われる、アレルギー性鼻炎の患者さんも結構いらっしゃいます。 そして今年も学校検診で引っかかったお子さんが、学校からの用紙を持ってたくさん来ています。 おそらく今年もプールの始まる6月20日頃まではそこそこ混雑するのではないでしょうか。 そしてあつ~い夏が来ると、耳鼻咽喉科開業医にとっては暇な季節となります。 新型インフルエンザも終息傾向ということで、あまり話題性のない記述になってしまいました・・・。



4月22日(水)「福生一中の学校医になりました」

花粉症も終盤となり、少し患者さんの数が減ってくる徴候がありましたが、小中学校の耳鼻科検診でひっかかった児童が来院するようになりました。 プールが始まるまでの間は、こういった小中学生がたくさん来院するでしょう。 今年度から、福生一中の学校医(耳鼻咽喉科)に指名され引き受けることになりました。 いよいよ明日の午後一中へ健診に参ります。 人数が多いので、明日と6月4日の2回にわたって全校生徒さんを拝見します。 この検診ですが、多くの児童、生徒さんを見て異常所見の見られるお子さんには病名をつけるわけですが、時には正しくない病名のつく可能性があります。 例えば鼻かぜをひいていれば鼻炎の所見があるので、アレルギー性鼻炎との区別がつきにくいことがあります。 鼻の入り口に色のついた痂皮(いわゆる鼻くそ)が見られると、副鼻腔炎の診断がついてしまうかも知れません。 よく患者さんの中で、学校検診の診断結果が絶対的なものと思われている方がいるように見受けられますが、もちろん病院や診療所でじっくりみたり、検査してみた結果のほうが正しいはずです。 検診では、なるべく正確に診断してきたいと思っています。



3月25日(水)「レセプトオンライン請求設定作業の苦悩」

平成22年4月からは、全ての医療機関でレセプトオンライン請求が義務化されます。 レセプトとは、病院や医院で診察を受けた際、患者の自己負担分以外の料金、すなわち医療保険負担分の料金を医療機関が保険者に請求するための書類で、診療報酬明細書ともいいます。 これまではいわゆる紙レセプトで、紙に打ち出したレセプトを束にして保険者に提出していました。 最近ではこのレセプト請求にもIT化の流れがあり、データをフロッピーディスクなどに保存して請求することが行われてきています。 社会保険診療報酬支払基金のデータによると、レセプト請求の電算化率(紙レセプトでなく、電子媒体による提出率)は平成21年2月現在、病院で79.3%、診療所で37.2%となっています。さらにオンライン請求を行っている施設は、病院で62.4%、診療所に至っては5.3%となっています。 当院では開業当初から電子カルテおよびレセプト電算化(いわゆるレセコン)の一体化システムを用いているため、当初からフロッピーディスクによるレセプト提出を行ってきました。すでに電子化されているので、あとはデータをオンライン(インターネット経由)で送れば対応できる状況でした。 期限ぎりぎりになるとかけ込み需要も増えて、対応困難になるという話を聞き、このレセプトオンライン化の作業をつい先日から開始したのです。 話は長くなりましたが、ここからが苦悩の開始でした。 当院では、ケーブルテレビ回線でインターネットおよび予約システムを行っているため、この回線を使用してのオンライン請求を選択しました。 このオンライン化作業は、外部接続環境へのアクセスを扱う業者から送られてくるソフトをインストールし、パスワードなどを入力して設定することが必要です。この設定作業は自前でもできますが、設定のサポートは有償となっていました。 そのため、まずは自分一人で設定を始めたのです。 請求に用いるパソコンは、すでに持っているDELLのOS Windows Xp-2を使用しました。 セキュアネットワークサービスという、外部接続環境へのアクセスのためのソフトをインストールする作業を行ったところ、外部との接続がエラーのためできず、それより先に進めることができなくなってしまいました。 これはパソコン自体の問題と判断し、オンライン請求専用に用いるためのWindows Vista環境のパソコンを購入し、最初から設定作業をやり直しました。 しかし・・・やはりソフトをインストールするとインターネットへの接続がエラーとなってしまい、それ以上作業をすすめることができなくなってしまったのです。 そこで電子カルテの業者、外部接続の業者、ケーブルテレビ、さらにはPCの業者にも電話して対応してもらいましたが解決せず、無念ながら有償のサポートを受けることにしました。 こういった電子機器の設定がうまくいかないというのはすごいストレスです。 多少お金を払ってでも、やってもらおうという気になりリタイヤしたのです。 そしてつい昨日のことですが、電子カルテの業者の方に設定をしてもらい、なんとかオンライン請求の確認試験を終えるまでに辿り着きました。 今でもインターネットの接続や、セキュアネットワークへの接続がエラーになったりすることがあって完全には解決されていませんが、この3月診療分からオンライン請求ができる目途が立ちました。 オンライン請求への道のりは、意外に険しいものでした。ソフトのインストールや、設定にはかなりの手順が必要です。ましてや、失礼ながらご高齢の開業医などにとっては高いハードルとなるでしょう。 もしこのオンライン請求義務化が実際に導入された場合には、医院自体をたたんでリタイヤするという開業医がいると聞きます。 これが医師不足である現状をさらに増悪させ、医療崩壊の状況をさらに悪化させる要因になるとして日本医師会としてはオンライン請求義務化に反対の姿勢を示しています。 導入期限が近づくにつれ、現実的に全医療施設でのオンライン化は困難なものと思われます。 ましてや、今回私が体験した限り、オンライン化導入への道はけっして平易なものでありません。 オンライン化期限が先送りになるか、義務化中止になるかは間違いないと思いつつ、一足早くオンライン導入作業を行った一診療所開業医の体験談でした。



2月24日(火)「今年の花粉飛散は、早い!多い!」

先月の日記を書いた後の1月下旬からは暖かい日が続き、例年よりは10日ほど早い2月5日頃にはスギ花粉の飛散が開始しました。 そして、関東地方では2月13日に春一番が吹き、そのあとの14日(土)、15日(日)には大量に飛散しました。 その飛散量は例年のピーク時のような量だったため、ここ2.3年は症状のあまりでなかった方もかなり症状が強く出たようです。 当然ですが、2月13日からは医院も大変混雑しました。 例年は3月に入ってから花粉症の患者さんが多くなるのですが、今年は半月ほど早かったし、その程度も強かったということになります。 今週に入ってからは曇や雨の日が続いていて、少し混雑も落ちついています。 また晴天となって風が強くふくとかなり飛散するものと思われます。 印象としては当初の予想よりも多量の花粉が飛散するのではないかと思っています。 治療としては抗アレルギー剤の内服と点鼻薬の投与が主体になります。 もちろん花粉を浴びないようにマスクや眼鏡を使用することは重要です。 点鼻薬には局所ステロイド剤を使うことが多いのですが、全身にまわるステロイドの量は微量ですので、副作用はあまり心配いりません。 この点鼻薬ですが、どうもあまり好まない方が多いようです。 点鼻したときの刺激感によりくしゃみを誘発したりすること、点鼻をしてもすぐに効果が現れにくいことなどが要因だと思われます。 しかし最近の報告では、ステロイド点鼻の単独使用でも、抗アレルギー剤を2剤組み合わせて内服するよりも効果が高いとされています。 ですから、是非いやがらず点鼻薬を使用してもらいたいと思います。 それと抗アレルギー剤にしても点鼻薬にしても継続して使うことが必要です。 薬剤の血中濃度を保つこと、また点鼻薬も継続して鼻内に作用させることが重要だからです。 ですから、症状の強いときだけ使用するのでなく、処方されたとおり定期的に薬剤を使ってみて下さい。 そうすれば、この季節を少し楽に過ごせるのではないかと思います。


1月26日(月)「インフルエンザ、おたふくかぜがはやっています」

冬としてはそれほど厳しい寒さはなく、また暖冬ということもない日々です。 インフルエンザがかなり流行しています。 当院にいらっしゃるインフルエンザの患者さんは、あまり自分がインフルエンザだという認識のない方が多いようです。 もっとも、インフルエンザとわかっていれば内科に行かれるからだと思いますが。 この時期、かぜのような症状に38℃を超える発熱があればインフルエンザを考える必要があります。 予防接種をしているからインフルエンザではない、と思いこんでいる方もけっこういらっしゃいます。 今年は予防接種を施行しているにもかかわらず、インフルエンザを発症している方が多くみられます。 当院でも予防接種をやっていましたが、いまのところ当院での接種症例でインフルエンザになられた方はいません・・・ いや、いないはずはありません。きっと別の医療機関に行かれているのでしょう。 もっともうちで予防接種をして、発症された方がいらっしゃると、かなりばつが悪いことになります。 そんなときは、「残念ながら今年は予防接種を受けられても発症される方が多いようです」と、言い訳がましく事実をお伝えするしかないでしょう。 おたふくかぜの患者さんもけっこういらしています。 おたふくかぜは耳下腺や顎下腺が腫れます。耳下腺はちょうど耳たぶの周囲に当たる部分で、顎下腺は左右の顎の下です。 典型的な症例では両側の耳下腺が腫れますが、片方とか、ひとつの腺が腫れる場合もあります。 しかし、おたふくもどきの耳下腺炎もあるのです。 小児の場合反復性耳下腺炎といって、おたふくかぜのウイルスによらない耳下腺炎を反復することがあります。 別の疾患でも腫れることがあります。 ですから、「おたふくはもう何度かやりました」とか、「2回やることもあるのですか」などといわれる方がいらっしゃいますが、おたふくかぜは終生免疫を獲得する疾患ですから、特殊な症例を除くと1回きりの疾患です。 おたふくかぜは耳下腺が腫れているうちは、感染の恐れがあるため学校や仕事を休まなければなりません。 感染力は比較的強い伝染病です。 おたふくかぜの合併症として、1000人に一人ぐらいの割合ですが高度の難聴を起こす場合があります。 この場合聴力の回復はほとんど期待できません。 大人の男性が罹患すると2割ぐらいの割合で睾丸炎を合併します。 睾丸炎が高度になると(置物のタヌキ状態)、男性不妊の原因にもなりえます。 これらを考えると、侮ってはいけません。 かかったことのない方は予防接種を受けられた方がいいかと思われます。 なお、不顕性感染といっておたふくかぜの症状が出ないのに、感染して免疫を獲得している場合もあります。 採血をすれば、免疫を持っているかどうかが判定可能です。 気になる方はこの際採血して調べてみてはいかがでしょうか。



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